最近私の回りで立て続けに、開業・フリーランスという言葉を聞く機会がありました。
先日、会社の上司Aさんに退職する旨を伝えたのですが、その上司から『Aocuooさんは起業するの?』と聞かれて面喰いました。
その上司は起業という言葉とは程遠いイメージの人で、まさかその人の口から起業なんて言葉が出るとは思いもしなかったからです。
少しドキッとしたのですが、否定して『Aさんは起業するのですか?』
と逆に聞いたところ、今考え中だとのこと。
その人曰く、サラリーマンは社会保険料や税金を取られ放題取られて割に合わない。個人事業主になれば色々経費で落とせて有利だといったことをいわれました。
その言葉を聞いて少し合点がいきました。というのもその人はとても節約家で、おそらく起業というより個人事業主の税制上のメリットに目がいっているようで、そこスタートでこれから何かいい個人事業主として始めれるものはないかと探している最中のようでした。
恐らくこの人は起業なんてしないのでしょうけど、それにしてもAさんからこんな言葉が出るとは本当にびっくりしました。
また、その数日後、半年前に突然会社を退職して大学に入りなおした若い人がいたのですが、その人が開業届けを出したということを聞きました。
その人は、会社を退職して、全く畑違いの情報系の学部に入り直したのは聞いていたのですが、元々詳しかったのかどうかはわからないのですが、アプリ開発をやっていて、どうやらその開発がうまくいったのか開業に踏みきったたそうです。
なぜ起業に対する関心が高まったのか
以前に比べると、やたらと起業を目指す人が増えたのは政府の旗振りもあるようです。
日本は先進国の中でも、起業する人の割合が極端に低い国です。
そのことが、今の日本経済の停滞につながっていると考えた政府が起業支援に乗り出し、それによる経済の活性化を目指しているようです。
あともう一つは、日本企業の変化があるといわれています。
社員の使い捨て、長時間労働などの悪い労働環境に嫌気がさした人が起業に向かっているともいわれています。
高いスキルを持った若い優秀な人達はどんどん起業して組織に縛られない働き方をすることは確かに日本の経済の発展に寄与すると思います。
一方で私のような特にスキルを持たない50代の人間はそもそもこの対象ではないと思います。
50代の人たちのフリーランス
話は変わりますが、働き方改革で掲げられている方針の中に高齢者の社会参加があり、そのうちの一つとして定年延長があります。
定年を延長して中高年者の労働力を活用するといっています。
年金問題が主ではあるのでしょうが、うがった見方をすると60歳という節目を奪い早期退職を促して、労働コストを下げる・人手が不足している職種へ人的リソースをシフトする目的もあるように感じます。
今の私の会社では60歳で一旦定年して、そこから雇用延長制度で65歳まで働くことができます。
私としてはこのままで全く問題がなかったのですが、今回の定年の65歳までの引き上げにより60歳という節目が無くなってしまいます。
現代のストレスフルな社会で65歳や70歳まで定年を延長されても、一部の管理職クラスの人以外は中々耐えることはできません。
また、政府がこの度掲げた働き方改革の中には、フリーランスとなって今まで働いていた企業と請負契約を結ぶといったものも新たに盛り込まれています。
これは現時点では65歳以降70歳まで働くことを希望した人が対象のようですが、この対象が60歳以降⇒更には50台に変わるかもしれません。
上で紹介した優秀な若者対象の独立支援とはまた別の使えない世代のフリーランスへのシフトも考えられているのでしょうか。
しかし、フリーランスの多くの収入が200~300万円となっていることから50代の人が早期退職してもほとんどの人が収入減になってしまいます。
給料ばかり高く生産性の低い私たちの年齢層の人たちを早期に退職させてフリーランスにシフトして労働賃金を下げれば名目上の生産性向上にはつながりますからね。